捕らわれ姫
* 2 *




次の日の放課後。


私は生物準備室の前にいた。



深呼吸をして、ドアに手をかける。……前に、ドアが開いた。

ビックリしていると、ヨレヨレの白衣姿の先生が、私を見下ろした。



「何をしてるんですか?いつまでも」

「すみません…」



どうやら先生は私がいたことに気付いていたらしい。



中に入ると、先生は棚からバケツと雑巾を出して私に渡してきた。



「これで掃除をお願いします」



私が受け取ると、先生は自分の席に座りパソコンを打ち始めた。


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