たった一つのお願い

見解3



「いやー良かったな」




今日の酒代は約束通り、俺が奢ることになった。
それを計算してか、いつもより高い店に祐司は入りやがった。
が、今日の俺は機嫌が恐らく人生の中でもトップクラスで良いので文句を言うことなく、連れられるまま店に入った。




「これから大変だろうけど、頑張れよ」



「……ありがとう」



「うわ…お前が素直とか気色悪っ!」




今日は何を言われても、何故か苛立たない。


祐司もそれを分かってこんな風に俺を扱うのだろう。
普段なら5倍くらいにして言い返している。…結局は流されてしまうのだが。




「まさか春ちゃんがお前のタイプだとはねー」



「そうだな。人生何が起こるか分かったものじゃないな」




たったコレだけの想いで世界がこんなにも変わって見えるのだから。
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