ももの天然水

告白-side友哉-

小6の時。

俺は、日課のランニングに出かけてた。

「う、動くなって言っただろ!」

いつも通る公園の近くから男の怒鳴る声がした。

「お、俺は悪くない!」

この辺の人目のつかない場所は、裏路地。

30代くらいの男が女の人を脅していた。

女の人の手は、赤く染まっていた。

血?

「なにやってんだ!」

俺の声に驚いた男は、逃げて行った。

「大丈夫ですか?!」

「…たす…け…て。」

とっさに使っていたタオルで傷口をおさえた。

「目を閉じちゃだめだ!」

あの人が、どうなったのか。

俺は、知らないままだった。

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