ももの天然水

出発の朝

「紗優ー！おきてー！」

「……ん。」

「朝だよー！」

目覚ましなったっけ？

「…え？悠里さん？」

「旅行の準備するよ！」

「そこに用意してあるよ。」

部屋の隅に置いてあるオレンジのキャリーバッグを指さす。

「メイクしなきゃダメ！」

また、実験？

悠里さんは、メイクの専門学校にも行っている。

いろんなメイク法をうちで実験する。

「わかったよ、ちょっと待ってて。」

「はーい！」

１階に下りて洗面台にむかう。

「魁斗、邪魔。」

「朝から毒舌やめろよ。」

「うっさい。ふぁ～、眠い。」

「でっけぇあくび。品がねぇな。」

あー言えばこー言う。

「紗優、顔洗ったら、ご飯食え。」

「あ、おはよ。マコ兄。」

「ん、おはよ。」