waiting for you
出会い
男からの汚れた金を財布にしまう。
一晩あけた早朝のホテルから静かに抜け出し、適当にパンを買って公園で食べる。
あたしはいつもひとり。
だからって辛い訳じゃない。
これがあたしに与えられた運命。
流れて生きていくしかないの…

~♪~♪

携帯の着信…
ほとんど人と関わりのないあたしにとって、めずらしいことだ。
ディスプレイには“砂螺”(さら)の二文字。

『砂螺ぁ?どしたの朝から。』
『ゆーあーつ!ひさしぶりっ!』
『そだね、で?』
『相変わらずつんつんしてるねー。今日さ、砂螺のアパートにこない?』

砂螺は、あたしとタメの17歳。
昔悪さばかりして親に勘当された。
それ以来ギャバとかで働いて稼いでいる。
二年前、砂螺が援交はじめたてのとき偶然街であって、客のさそい方が余りに下手でフラれまくってたのをあたしが助けてあげた。
そしたら仲良くなった。
あたしの唯一の友達かな。

『んーいーよ。』

宿確保のために男に抱かれるのもいやだったから了承する。

『やった!久しぶりだぁ。じゃあさ、
お昼に東駅ね!』
『ん。ぢゃね。』
『はーいっ』

ぷちっ

『あ、コインロッカーいかなきゃ。』

私はいつも荷物をコインロッカーに預けている。

『よし、いくか。』

久しぶりに砂螺に会うので足取りが軽かった。
そのまま駅へと足を進めた。
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