片想い

｢ああ、そういうことね、｣



そう言いながら、涼子は、教えられた通りテキストに書き込んでいく。



｢そういえばさ、この前、高山さんとお茶したよ。｣



｢ふーん。それで、｣


珍しく菜月の方から涼子に男関係での出来事を話してきた。話しかけられた涼子は、驚いて目を丸くしたが、自然と菜月から聞き出そうと思い、相槌を打ちながらも、すぐに英語のテキストに目を落とし訳しているフリをした。



｢別に、特に何か話たってわけではないけど、高山さん、私がバイトしてる近所に住んでるんだって。｣



｢へー、もしかしたら、今までに会ってるかもしれないってことね。｣