黒竜と魔法使い。~花檻の魔法使い~
檻の中
塔の窓から見渡せる地上は、窓という狭い穴ではそのすべてを見渡すことはできない。彼女は窓と言う狭い穴から外を見るたびに己の立場を知る。

 ここは、檻だと。

望まれてはいない己と言う存在。
彼女――シルヴィアは古書などの貴重な資料が倒れ粉塵舞う塔の窓から半身、身を出し荒く息をしながら己の出自を小さく、けれど何処までも深く――心の中で嘆いていた。
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