【BL】腐男子な俺の恋フラグ



そんな悲しそうに見つめてるくせに

そんな不安そうに見つめてるくせに

そんな心配そうに見つめてるくせに

そんな嫉妬を露わにしているくせに





「槙は、幸せか?」




「ハイ!勿論!」






―――なんでアイツのためにこんな笑顔を向けるんだ。意味分からねー


俺が本性バラして槙に迫ったらどうなるだろうか?
というよりここまで俺の裏の性格に気付かないのも珍しい。
大抵の人間は会って会話してたら3日で気付かれるんだがな。






「あ、でも草笹先輩とこうしてお話出来るのも楽しいです!だって先輩優しくて紳士だから。俺の憧れです!」




「そうか?」




「ハイ!」




………俺は笑顔を浮かべるも何故かゾワゾワして落ち着かない。
それはきっと俺が似非紳士だからだろう。なのにコイツは俺にこんな笑顔を向けてくる。




憧れ、か…






「ほら、さっさと掃除して終わらせるぞ。それで早く家帰って香川と話してこい。気になるだろ?」




「先輩~~っ!やっぱり先輩は爽やかすぎる…眩しすぎる…」




「ほら、口動かさずに手動かせ」






―――何やってんだかな。


手っ取り早く本性明かしてしまえば俺も下手なキャラ演じ続けなくて良いのに。
バレてる皇や園には訝しげに見られず済むのに。



これじゃあまるでいじめてるのは俺じゃなくて槙の方だ。





思わず気付いた事実に俺は1つ吐息つくしかなかった。
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