私は勉強が出来るわけではない。だから、普通の学園に入ってもよかった。
けれど、私は両親を殺した正使用と戦いたかった。何があっても、正使用が無くなるまで。許せなかった。
一歳上の兄、山岡隼汰は私の馬鹿げた誓いを笑わないで、「一緒にがんばるよ」って言ってくれた。だから、兄は大好きだ。
今日も、兄と一緒に朝ご飯を食べる。
「兄ちゃん、遅刻するって!」
親戚の家にいる私たちは、本当なら親戚の若い叔母さん、山岡実里と一緒にご飯を食べる訳だが、叔母さんは仕事で出掛けてしまった。
「そんなの、テレポートで行けばいいだろう?」
確かにそうだけれども、テレポートは空間がねじ曲がった感じがするからそんなに好きではない。
「えー。分かったよ。」
私は遅刻したく無いし、テレポートして頭がいたくなるわけでもない。
「んじゃ。行くか。」
兄は私の荷物を取ると、急に抱きついて来た。
「え!?」
いくら兄ちゃんでも急に抱きつくのは辞めろ、と言おうとしたがテレポートで学校の靴箱に着いてしまった。
みんなが居るところではさすがに言いたくない。遅刻はしなかったが、そもそもテレポートは、触れていれば出来るのに何故わざわざ。
身長が高くて顔が整って居る頭が良い兄は人気者で、抱きしめられて居るこの状況は目立ってしまった。
「お前ら、イチャイチャすんなよ。リア充爆発しろ~。」
「なんだよ。お前彼女いるのにリア充爆発したらお前爆発するって」
「あひゃひゃひゃ。」
兄と誰かの会話が聞こえた。
何かとモテる兄とこうして居ると女子の視線がイタイ。
兄は、スタコラと私を置いてって階段を上がり、二年の教室に行ってしまった。
呆れながら私は、上履きを履いた。
「痛っ!」
足に何かが刺さった。
「画びょう・・・?」
上履きには、画びょうが刺さっていた。小学生のいじめかと突っ込みたいが、二年の先輩たちが来て突っ込み気が無くなった。
「貴方たちがやったのね。」
「そうよ。あんた、隼汰と兄弟だからって、調子に乗るんじゃないよ。」
一番前にいた先輩の手が顔に当たり、ビンタされた。
私は、そのまま尻もち着いてしまった。
「なっ・・・」
「もう一度してやろうか。」
「・・・。」
先輩は、またビンタした。が、今度こそはと、変換能力を使った。
周りの風を思いっきり先輩にぶつけた。
「あんた・・・。」
先輩はマッチをポケットから取り出し、火を付け、能力かどうかは分からないが火を強くして私に思いっきりぶつけた。
「きゃっ!!」
全身大火傷・・・かと思ったが、熱くも何ともなかった。
前を見てみると、石坂光先輩が居た。
火は、跳ね返って天井に当たったようだ。