赤い月 終
『闇蝕の呪』

(アンショク??
ナニソレ? オイシィの?)


給食、みたいな?

また出たよ、理解不能語。
また俺だけ放置だよ。

なんてちょっと拗ねながら、景時が隣のうさぎを盗み見ると、彼女は唇まで青ざめていた。


「‥‥‥
何故…
そなたがその名を…」


「私も…
調べたんです。
千景を… 景時を救える方法はないかと。」


千景とゼンキが姿を消してから、秋時は在りし日の千景と同じように倉に籠った。

一日中書物を漁り、赤光のことを調べた。

だが出てくるのは、赤光が世に与えた悲劇の歴史ばかり。

娘を、孫を救う手立てなど存在しないのか…

諦めが心を支配しようとする頃、彼はソレを見つけた。

< 76 / 279 >

この作品をシェア

pagetop