指先で紡ぐ月影歌

<永倉新八>





全ての戦いが終わった。


それはまるで吹き抜ける風のように。


西の風に乗せられ打ち込まれた争いの火が、漸くその灯火を消したのだ。


革命の末、何百年と続き世の安定を保っていたはずの幕府は倒れ、新しい時代が幕を開ける。


戦国の世以来の大きな戦乱はここに終わりを告げた。



人々は新たな時代をどう迎え、どう受け入れていくのだろうか。


あるものは勝利に歓喜し、あるものは散った命に涙を流すのかもしれない。

あるものは束の間の平和を喜び、あるものは変化に恐怖を抱くのかもしれない。


もしかしたら何も気付かずにこの風に身を任せるものもいるのかもしれない。




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