恋人ごっこ

05.となりにいるひと

.






■ となりにいるひと








変わったのは世界か、それともあたしか。










今更ながら、後悔し始めるあたしがいた。


朝。
あたしは、目の前を妨害するドアを足で蹴破った。


「仙崎、おはよう」


壁にあたってはね返ってくるドアを手で止めながら、あたしは彼の名前を呼んだ。


「…和葉さん、それやめましょうよ。
いつかドアが外れるから。」


ガスコンロのあるほうから声がしたので、そちらに目をやる。
制服の上に黒のシンプルなエプロンを着用した彼、仙崎がいた。


「だって面倒なんだもの。」


「大家がそんなこと言ったらだめですって。
はい、どうぞ」


そう注意をしながら、早々とテーブルについたあたしの前に朝食を置く彼。
本日のメニューはトーストにスクランブルエッグ、野菜サラダ。



.
< 50 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop