SトロベリージャM
「真っ赤な初恋」


愛しいあなたはどこにいるの?


分からないけど、毎日歌う


だって、呆れた風の妖精が、わたしの歌をあなたに届けてくれるかもしれない


届かなくても、わたしたちを引き寄せてくれるかもしれない


真っ赤な顔のあなたが教えてくれた、恋


恋を初めて教えてくれたのがあなたでよかった


ぎゅっと抱きしめてくれた、その時の意味が大人になってようやく分かった気がする


今、同じように抱きしめてくれたら、きっと、わたしは腕まで真っ赤になる


風に揺れたドレスのピンクも、あなたと食べた苺の赤も、鮮明に覚えているけど、一番頭に焼きついているのは、あなたの唇についた真っ赤なストロベリージャム


2人の温かい甘い気持ちが、摘みたての苺をジャムに変えたの


大樹の木陰で、たくさん泣いた


流れ落ちた涙で耕した土は、今も2人の苺を育んでくれているわ


早く帰ってきて、「おかえり」って言わせて・・


そして、早くわたしの作ったストロベリージャムを食べて、唇を真っ赤に染めて、あのときと同じように抱きしめながらキスをしてほしい


< 14 / 225 >

この作品をシェア

pagetop