SトロベリージャM
祭りの開催は、ネットでも掲載されているので、実野里たちが売る商品のファンや、観光客が訪れることも多かった。


一般の入場は、11時30分からだ。


栗拾いが終わったのが11時なので、皆、急いで自分の家に戻り、必死に販売の準備に取り掛かっていた。


実野里は、先週、大量に瓶詰めして寝かせていたジャムを、ショーケースに並べていった。


そのカラフルな瓶は、液体にした宝石を詰め込んでいるかのように輝いていた。


ドアのベルが鳴った。


やはり、1番に駆けつけてくれたのは、由梨さんだった。


「いらっしゃいませ。」


「実野里ちゃん、久しぶりね。3週間くらい来れなかったんですもの。やっと、会えて嬉しいわ。」


女神のような笑顔は、いつもように実野里を元気付けてくれた。


「わたしも嬉しいです。ジャムは、いつもの組み合わせでいいですか?」


「はい、お願いします。あら?実野里ちゃん、店でストールを巻くなんて珍しいわね。寒いの?」

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