SトロベリージャM
母のこの色気と自信は、いったいどこからくるのだろう?


この年になっても、若い男にモテそうだ。


だから、父も母を放っておけないし、溺愛しているんだろう。


しかも、美里さんだって同じ。


あの社長を、狂愛させるほどの魅力があるのだ。


わたしもずっと大地に愛されるように、何歳になっても綺麗でいたいと思った。


「大地、実野里、おめでとう。」


目の前にいる大切な人たちが、わたしたちに祝いの言葉をかけてくれた。


まだ、このおめでたい話を待ってる人たちがいる。


「大地、わたしの仲間たちに知らせにいかなくちゃ。」


駆け出したわたしの後ろから、大地が追いかけてきた。


森が救われたこと、社長がジャムマニアなこと、外見は悪魔、中身は天使のようなこの男が大地だとということを知ったら、皆は度肝を抜かすだろう。


心配になりつつも、明日から訪れる春の息吹が、刺激を緩和してくれるだろうと期待することにした。


「あっ、今日はパーティーよ!」


走りながら、後ろを振り、皆に叫んだ。


家々に向かって走る、わたしと大地に爽やかな春風が吹いた。
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