SトロベリージャM
「あ~、ごめん、ごめん。湖羽(コウ)、萌花(モエカ)。」


くりくりした目でわたしをじっと見つめてくる、可愛い双子の天使たちに声をかけた。


湖羽は男の子で、黒い瞳に茶髪の大地似、性格も悪戯好きだ。


萌花は女の子で、こげ茶の瞳に黒髪のわたし似、だけど性格は少し違っていて、かなりの甘えん坊だ。


ことあるごとに、わたしや大地、湖羽を呼んでは、抱っこや頭を撫でるようにせがむ。


3歳なので当たり前ではあるが、成長するにつれて、ひどくなっているような気がして心配だ。


おもちゃやテレビよりも、人に甘えることが大好きな小さな妖精だ。


上目使いをしながら、ウルウルさせた瞳で見つめてくるその可愛さに、誰でもノックアウトしてしまう。


目を合わせてしまったら、こっちの負けだ。


大地が言うには、昔も今もわたしは、この必殺技を知らず知らずのうちに使いまくってくるらしい。


わたしは、意識していないけど・・。 


湖羽はこの歳ですでに、クールかつ悪戯好きのチビ悪魔だ。


わたしのスリッパの中に、積み木を入れたあと、物陰からこちらを見てくる。


その悪戯な笑みは、大地そっくり!!


いや、大地をそのまま小さくした感じだ。


う~ん、将来が心配される逸材だ。
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