2カ月が経ち、だんだんと仕事にも慣れてきた。


実野里の仕事は、主に、ダイの身の回りの世話、スケジュール管理、メールや電話の応対、来客への接遇、書類原稿の作成だ。


ダイの仕事が前よりスムーズに進むようになり、社長は、副社長室を設けてくれた。


1つ慣れないことといえば、カジミノいじめだ。


誰もいないと思って入った社長室から、急に「わっ」と飛び出できて脅かしてきたり、書類やシャーペンを隠したり・・


こんな子どもっぽい悪戯は慣れてきたけど、たまに仕掛けてくるスキンシップにはどうも慣れなかった。


あの悪戯な笑みに、実野里は弱かった。


抵抗する力を吸い取っていかれるよな感覚に陥り、されるがままになってしまうのだ。


だが、ダイは、たいしたことはしなかった。


頭を撫でたり、身体を軽く触ったり、唇以外の部分にそっとキスしたりするぐらいだ。


上級なセクハラ常習犯だが、実野里は秘密にしておきたかった。


自分の住む居場所も、ダイのいる空間も、両方守りたくなってしまった。


矛盾した気持ちが、実野里を苦しめた。


(わたしは、大地のことが好きなんだよ・・。そうじゃなくちゃ、だめなんだ。)