SトロベリージャM
計画は、とんとん拍子には進まない。


自分が立ち上げるのだから、当たり前だ。


でも、周りのお年寄りや年配の人たちも皆が協力してくれるので、少しずつではあるが、ネット販売の収入は、ずっと右上がりのグラフを示している。


野菜や果物の美味しさ、この地域の自然の美しさを知った都会の人たちが、たまに休日などに観光に来るほどにまでなった。


そのため、実野里のように、小さな店を自分の家で開く人も出てきた。


ジャム屋だけではやっていけないので、田舎と都会の中間地点くらいにある町の塾で、アルバイトもしていた。


車で飛ばせば、30分くらいで着く。


その塾の先生は、由梨さんという名前で、穏やかな性格でとても可愛いらしい人だ。


子どもと接する仕事が天職のような人。


年も40歳代後半くらいで、第2の母のような存在だ。


今でも、由梨さんや塾に通っている子どもたちは、休日によくジャムを買いに来たり、遊びに来てくれたりする。


子どもたちとの親とも仲良くなれ、とても良い仕事に巡り合えた。



大変だが、自然に囲まれながら、皆で一体となった生活は、毎日が充実していて幸せだった。




1週間後に事件が起きるまでは・・


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