ゆるふわなキミ
ゆるゆる


放課後のチャイムが鳴り。
みんなが椅子を引き、帰る準備や部活へ行く準備なんかしてる。
そんな時……

「萌(もえ)ってゆるふわ系だよね~」

そう言って、私の髪の毛をわしゃわしゃと撫でるのは、親友のユカ。

「やーん!髪がぐちゃぐちゃになるー!」

ユカから離れて慌てて髪を直す。
むー、と怒った表情を作って見せるとユカは笑って、

「ごめんごめんっ。萌がかわいいからつい。許して~っ」
「もーかわいくないってば!」
「かわいいよー!
そのちっこい背も、ゆるふわウェーブな長い髪の毛も、おっきな目も!」
「……ぶーっ」
「あたしなんか、背もでかいしかわいくないし。ホント羨ましいよ」
「……そうかなぁ?」

嬉しそうにうんうんと頷くユカ。
でもね、ユカ……


それ全部、私のコンプレックスなんだけどな。

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