どうしようもない幼なじみに…



 凌太が後ろで言った。

「さぁな」

 俺は部室のドアに手をかけた。

「…信じてたっす…」

 凌太の声で、俺は足を止めた。手をドアノブから放す。後ろを向いた。

「大和っちが桃花っちのこと受け入れてくれるって…幸せにしてくれるって信じてたっす」

 凌太が涙を拭う。

「けど、もう信じるのやめて…いいっすか?俺が桃花っちもらっていいっすか?」

 俺は何も言わずに部室を出た。

< 138 / 166 >

この作品をシェア

pagetop