どうしようもない幼なじみに…
俺は一週間前のことを思いだして言葉に詰まった。
埃を掃いていた手を止める。
「それが…どうかしたか」
「いいんすか?このままだと俺、桃花っちのこともらっちゃうっすよ?」
俺は箒を動かし始めた。
「…勝手にしとけ」
俺が言うと、凌太は笑い出した。
「強がってるのバレバレっすよ、大和っち。ホントは、勝手にしとけなんて言えるほど余裕ないんじゃないっすか?」
俺は凌太に詰め寄った。
「勝手なこと言ってんな!」
今の俺はピリピリしてんだから挑発するなよな。
凌太の制服の胸座を思いっきり掴んだ。
「見え見えっすよ?だって大和っち、声震えてるッす。桃花っちのこと…ホントはまだ好きなんでしょ?」
俺は凌太から手を離して、その場にしゃがみ込んだ。