どうしようもない幼なじみに…



 バスケやってるおかげで指先は器用な俺は、桃花のシャツのボタンを三つ、あっという間に外した。

「脱げちゃうよぉ」

 桃花がアニメ声を出す。

「や、脱がすのが目的だし」

 言ったところで、不意に頭に激痛が走った。

「な…」

 俺は振り向く。

「抜け駆けは許さないぞ?」

 俺の足元には凌太の愛用しているバスケットボール。

「オマエ…この野郎…っ」

 俺は遠くでシュートの構えを取っていた凌太に怒鳴った。

「桃花っち襲う方が悪いんすよ」

 凌太はチャラい言葉を発して歩いていく。

「…大和っち、女に飢えてるなら紹介するっすよ?俺、結構モテるってのは大和っちも知ってるじゃん…?」

「飢えてねェよ!」

 そういや俺、なんで桃花を襲おうとしたんだっけ…?

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