どうしようもない幼なじみに…



 大和side

 途中から、何故か俺と桃花は手を繋いでいた。

 案外素直じゃない幼なじみの手を強く握ってみると、桃花も握り返してくる。

 こうしていると、恋人にでもなった気分だった。

「…のさ、桃花」

「ん?」

「あのさ、さっきから胸当たってるんだけど」

 俺が言った途端、桃花の拳が俺の頬に命中した。

「あいた~っ!」

 倒れた俺の上に、桃花が倒れこんでくる。プロレスか、と思ったけど、よく見たらそうじゃなかった。

 桃花と俺は手を繋いだままだったんだ。

 だから俺が倒れたら必然的に桃花も倒れちゃうわけ。

「…桃花。俺を押し倒すとはいい度胸じゃねーか」

 俺が言うと、桃花は顔を真っ赤にした。

< 77 / 166 >

この作品をシェア

pagetop