野獣に魅せられて・・・

玲奈side

今日の仕事は早出だった。

・・・

仕事が終わり、

病院を出た時だった。

・・・

私の目の前に、

可愛らしい女の人が、

立っていた。

・・・

「…私に何か?」

私をまっすぐに見て、

目線を逸らそうとしない彼女に、

私はそんな質問をした。

・・・

「私、伊藤潤也の彼女です」

「・・・」

彼女の答えに、驚きを隠せない。

・・・

この前は遠目に見ていたので、

彼女の顔ははっきりとわかっていなかった。

この時初めて彼女の顔が、

どんな顔なのかわかった。

・・・

「伊藤先生の彼女さんですか・・・

そんな方が私に何か用ですか?」

やっと紡ぎだした言葉。

私の質問に、

彼女は潤んだ瞳でこういった。
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