SUGοЯοKU

新しい自分。



目の前でまた人が死んだ。こんな自分なんかを好きと言ってくれた相手だった。明日香は、井上の手を握った。井上の手を自分のほっぺたにくっつけた。手は、とても冷たかった。脈も動いていなかった。死んだ…本当に死んだ…。この時あらためてそう思った。明日香のほっぺたにもっと冷たいものがあたった。それは、井上が腕につけていた銀の腕時計だった。明日香は、銀の腕時計を井上からはずした。その時計を自分の左腕につけた。そして、井上を木近くに座らせた。

『井上くん…。死んでないよね??井上くんは、死んだって思ってるかもしれないけど、私の中では、生きているんだよ。大好き!あと、井上くんの腕時計もらっとくからね…。そのかわり…』

明日香は、自分の指につけていた指輪を井上くんの指にはめた。

『私の指輪をあげる。交換しよっ!井上くんが私の指輪をもって…私が井上くんの腕時計をもつの…。』

明日香は、ポロポロ涙を流した。

『あれれ…涙が…。井上くんは、私なんかの笑顔が好きなんだよね?私は、もう泣かないよ…。井上くんが好きっていってくれた笑顔でいるね。』

涙をながしながら笑った。

『バイバイ…井上くん…』

明日香は、別れをつげた。井上とは、離れたくなかった。でも井上は、自分の命は、自分で守れといった…。だから、自分の命を守るよ。井上のぶんもがんばるから!私をみててね。









神様…。私は、自分の命を自分で守ります。神様…あなたは、私達になにをおしえてくれるのですか?
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