戯れに溺れる【TABOO】
◆戯れに溺れる


目を、閉じてみる。

物足りない日常に刺激を求めて記憶を辿り、瞼の裏で過去に身を投げ出す。


その後は“ソレ”に鍵を掛け、また記憶の奥に閉じ込める――…。





教師生活3年目で初めて異動を命じられた先は、母校。
学生時代と変わらない校内で、今日も“無事に”1日を終えた事に安堵する。


「……良かった」

「何が?」


独り言だった言葉に返って来た、柔らかいテノールの声。
驚いて振り返った瞬間、腕を掴まれて近くの空き教室に押し込まれた――…。


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