そばにいるよ。

傷付いた心


――紫月視点――

違う。あれは、きっと何かの間違いだ。

まさか、紗姫が、朱翔と――










キスをするなんて。





「違う違う違うッ!!!
紗姫が、朱翔とキスする筈が……無いッ――。
俺を置いて、紗姫が他の誰かと一緒にいるなんて―――」





《本当に…?
本当に、紗姫が俺達の約束を破らないと決まってるのか……?》





俺の心の奥底で、小さな闇の気持ちが、俺に問いかける。





【絶対に、紗姫が約束を破るわけがない。】





《じゃあ、何故、他の男とキスをしていた?》





【それは、ちょっとした事故で――】





《事故で、あんなキスをすることはない。
確率は0.1%だ。後の、99.9%とは――





何かしらの関係があるからだ。
お前は、その小さな確率の0.1%に賭けるのか?
自ら目撃をしといてか?
オレなら、絶対に何かしらの関係があると思うがな。》





【紗姫と朱翔が―――





恋人なのか…?】




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