これがいわゆる逆ハーなのか!?

執事。

「よし、何だか盛大な夢も見た事だし学校にー…」



何て言ってたのは昼の3時。



「え?」



「お前寝過ぎ」



右から聞こえる美声の持ち主は、
まさかと思ったけど

あのイケメン。




「なっ なにしとるんどすかっ」


「なにって…マスターが急に倒れたから
 部屋に連れてきたんじゃん」


「そそそれはありがとござす」

「いえいえ」



ひろの頭はフル回転して状況を把握した。


つまり、父はイケメンたちをこの家にやとわせ
大量の借金をし逃走中。

そしてイケメンたちに興奮したりしなかったりした私は
ぶっ倒れて学校サボって布団で寝てた、と



「マスター起きたのー?」

「今日学校じゃなかったのか?」


またにょきにょきイケメンズが現れた。
新種のイケメンも現れた。


「とりあえず自己紹介な」


最初に出会ったイケメンが話し出す


「俺は近衛。飲むヨーグルトが好き」


金髪と栗色の間ぐらいの髪色。
元気そうな見た目。

モデルみたいだ。


「俺は綾瀬だよ。特技は産まれたての鹿の真似」


いわゆる可愛い系。
私から見ても可愛いけどどこかカッコイイ。

薄い栗色の髪がこれまたキュートですぞ綾瀬殿

しかし特技はおいておこう


「僕は黒澤。疾風の風の如くここに現れた」


瞳が綺麗で、髪はこげ茶。
美形でスッとしてる。ミステリアス。


そして最後の疾風どうちゃらもミステリアスだ。


「俺は蓮可。…へそのお」


すごくやる気のなさそうな脱力系だ。
しかしイケメン。


黒髪で表情が硬い。

へそのおとは何か意味深なことでもあるのかな




「これで終わり。」



「わっわたしは」


「私は神前ひろ。えっと…特になにもないです」



そしてまばらな拍手で終わった。





私は知っている。

これを逆ハーというんだ知ってるかい。



キャストは揃っている。

元気俺様系(多分)
甘えっ子可愛い系(多分)
ミステリアスしっかり系(多分)
無口無表情系(多分)


ばっちり。


でも何でこんな人たちがこんな貧乏ボロ家に来たのだろうか。



「つーかまじおっさんじゃねーのかよぉおお」


近衛がぐわぁあと崩れ出した。


「あのババァふざけやがって」


綾瀬もぼそっと一言。

ん…?綾瀬?


「もしかして、みんな熟男好きなの?」

「そんな訳ないじゃん」

「だよね」



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