甘い毒
「シンとは、ちゃんと連絡を取っているのか?」
「ご心配なく」
反対方向を向いて枝豆を口に運ぶ。
「俺にしとけよ」
「…ッ…シンが好きだから…」
居心地がわるくてお手洗いにでもと席を立った私に、奴が腕を掴んできた。
「アラタ…痛い、離して…」
周りにバレていないかドキドキしながら見渡すと、
みんな各々に盛り上がって、酔って、騒いで。
誰も私たちのことを気に留めるものなどいなかった。
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