ETERNAL CHILDREN 2 ~静かな夜明け~

15 混乱


 高熱で意識が朦朧とする状態が続いた。
 目を開けると横になっていても視界が回り、吐き気が込み上げてくるので、ずっと目を閉じていなければならなかった。
 だから、今自分が起きているのか眠っているのかもわからなかった。
 様々な感情が浮かび上がっては消え、夢なのか、実際に感じているのかさえわからない状況だ。
 時折、額に当てられているタオルが取り替えられる。
 冷たいタオルの感触が嬉しかった。
 汗でべとついた身体を何とかしたい。
 そんなことを朧気に考えていたら、首筋にこもる熱が別の冷たいタオルで拭われる。
 上掛けの下で、今度は腕が拭われる。
 胸元の汗が拭かれたときは、一時不快さが消えてくれた。
 胸を優しく拭いてくれる感触は、すぐに終わった。
 熱に浮かされながらも、残念に思う。
 もっと触れて欲しい。
 冷たいタオルはそのまま下に降りて、腹部が拭かれ、それから一度出て行く。
 身体の向きが変えられ、俯せにされると、今度は、背中が優しく拭かれていく。
 その時、初めて上掛けの下の身体は、下着以外何も身に付けていないことを悟った。
 それでも、そんなことはどうでもよかった。
 汗で不快だった感覚が消えていく。
 こんなことは初めてだった。
 身体に触れられて気持ちいいだなんて。
 熱のせいで、自分はおかしくなっているに違いない。
 そう思いながらまた意識が途切れた。






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