黄金時間が過ぎるまで〜もう一つの番外編
光は闇に恋してる

僕がまだ流されていた頃 その1

「…会長、見つかりましたか?」

「いや…目ぼしいヤツは、いないね…」

カチャカチャとマウスをクリックしながら、次々とページをめくっていく…

放課後の生徒会室にこもり、会長の八崎やすみ(二年生)と副会長の長沢桂(二年生)は、パソコンをいじっていた。

「来週だよ、やっちゃん…分かってる?」

こたつに肘をついて、長沢はジト目で八崎を見た。

「だからこーして、やっとるんだろーが!」

次期会長との、引き継ぎの日が迫っている…

にもかかわらず、今だ候補さえ見つからない状況だった。

「ったく、この学校は…会長が任命制だから大変なんだよな、オレが!」

「怒ったってしょーがないでしょう、やっちゃん」

会長の任期は一年で、後任は代々任命制と決められている…

生徒会長最後の仕事は、この後任探しなのだ。

「あ!」

突然、声を上げて八崎が画面を指差した。

「こいつだ、見つけたぞ!間違いない、やったぞ桂!」

「え、この子?一年生か…で、どうしてこの子?」
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