究極の悪魔先輩へ。大嫌いです。


「何?」

「あの先輩といつも売店一緒に来る背多分うちらより小さい男の先輩居るじゃん?」

伊織が言ってる人は分かる。背が低くて髪の毛は茶色だったのを無理矢理黒染した感じの髪で、背が低いわりに腰パンをする現代の言葉で言うとチャラ男。腰パンは背が高い人がするからかっこいいのに、背が低いのにしたらただの短足野郎にしか見えないんだよね。あの先輩は特に。

「あんたの事、気に入ってるらしいよ。」

どーでもいい情報どうもありがとう。あたしは別に興味もなくへー、と流した。

「てか勘違いしてるらしいよ(笑)」

半笑いの伊織にあたしは理解することができず、何が?と聞き返した。

「あんたがいつもあのかっこいい先輩見てるからその小さい先輩が自分のこと見てるって勘違いして気に入ってるんだって(笑)それ聞いた時爆笑しちゃった。」

腹を抱えて笑いこむ伊織は良かったねー、と小馬鹿にしたような笑いであたしの話を止めた。てか、何それ(笑)勘違いって、待って。そしたらさ、たまにチラッて目合うのって。ほら、あの子またお前のこと見てるよ、的な会話?そうなの?ねえ、教えて。誰かあの先輩の勘違いを解いてえええ。

色々と話が急展開しすぎて皆さんも何この糞みたいな物語と思ってらっしゃるでしょう。広い心と感情を1つ無くして読んでみてください。

「あの小さい先輩って何部?」

「お、興味持ったのー?(笑)」

「違うわ!あの先輩なら勘違いしたら皆に言いそうで怖い。今、ガクブルしてる最中。」

もし、うちのクラスの誰かが先輩から聞いて知ったらえー趣味おかしーい、とか思われて、否定したら余計に怪しまれるに違いない。どうしよう、あたしが思ってるのはあの長身の先輩なのにー!あの先輩が勘違いしてくれたらあたしに話し掛けてくれたのかもしんないし!もしかしたらもしかしたらいい感じになってたかもしんないじゃん!

「確かー、帰宅部かな。」

「そうなの!良かったー。」

「ホントはみんなに少し噂されたいくせにー。」

弁当を食べながら喋る伊織はホント汚い。口を押さえろ、口を。あたしは、はいはい、と面倒なので早く終わらせる。ママの弁当がこんな無味だったこと今まで無かったけどね。あたし明日から先輩見れないのかしら。

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