長い夜の甘い罠【完】


結局その日は、男に連絡先を聞かれて来週また会う約束をしただけで何もなかった。

女を部屋に招き入れておきながら下心ないなんて、驚きだわ。

何を考えているのか本当に分からない男。

珈琲を飲んで、連絡先を交換して、私の家へと送ってくれて終わり。

こんな男は初めて。

まぁ良いか。

嫌いな男と会ったその日に一夜を共にせずに済んだんだから。

取り敢えずは良かった。


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