長い夜の甘い罠【完】
あの時と違う所は…部屋中が血塗れていない所と誰も倒れていない所…。
「来て貰おうか」
「…やっ…は、離して!」
ド派手な赤いカッターシャツにすらっとしたズボンを履いた男に腕を掴まれる。
腕を精一杯引っ張り抵抗するもののビクともせず、そのまま引っ張られ玄関へと連れられた。
「誰かっ!助け……んぅ!」
大声で叫ぼうとしたけれど、口元を覆われ声を遮られればハイツの前に駐車している車へと連れられる。