金閣消失(A探偵団3)

住職への手紙

○屋上への天井扉
   扉を押し上げ覗く亜紀の顔。

○屋上部屋、内、夜
   「エッサーホイサー」の掛け声の下、
   大きなパネルに絵を描く忍者達。

○同、はしご
   亜紀と太一、うなづきあって大急ぎで下りる。

○同、階段
   走り下りる二人。

○同、入り口、外、夜
   走り出る二人。

○原田のアパート、夜
   階段を駆け上がる亜紀と太一。

○同、原田の部屋、外
   亜紀と太一、激しくドアを叩く。
二人「原田さん!」

○同、原田の部屋、内
   山本と原田がいる。
原田「どうした二人とも?」

   亜紀と太一が転がり込んでくる。
   二人息を切らしながら、

太一「あのビル、ハアハア」
亜紀「工事中の、ハアハア」
太一「クレーンのある、あのビル」
亜紀「忍び込んだら」
太一「忍者がパネルを描いていた」
亜紀「クレーンも動かしてた」

原田「よく分かった。まあ落着け」
山本「やっぱりあのビルは怪しかったな」
原田「そうだ、ちょっとまって」

   原田、用紙を持ってくる。
   皆、覗き込む。
   山本が略図を描く。

山本「それにしてもクレーンじゃとても届かない、
 変面たちは一体どうやって金閣寺を?」

   皆、腕組みをして考え込む。

○金閣寺、庫裏、内
   住職と出羽、亀山が話している。
   住職、手に大きな封筒を持っている。

出羽「年賀状の中に変な手紙がきてたと?」
住職「これですが、いたずらですかね?」
   出羽、封筒を受け取り裏を見る。

出羽「やはり予想通りだ」
   封筒の裏に大きな変面の顔が描かれている。
   変面、表を見る。

出羽「『中身をご覧になったら出羽警部にお渡しください』
 だと、ふざけやがって変面の奴」
   亀山、メモを取っている。

   出羽、中身を取り出し開ける。
   『年明けて 雪の積もる日 金閣は
   炎の中を 暗闇に舞う』

出羽「思ったとおりや」
住職「やはり、いたずらでしょうか?」
出羽「いや、ほんまに起こりえるんです」
住職「ひええっ!」
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