BLOOD§INFECTION
「それ、は…。」
俺は気まずく顔を背ける
突然手にした、尋常じゃない力
実はこれ以上が出せますーなんて、化け物でしかない
「なーんて、こんなちびっこに負ける気はしねーけど!!」
俺の雰囲気を汲み取ってくれたのか、麗王さんは急に大声で笑いだす
そうですよね、と周りの雰囲気もなんとか緩和された
「とっ、とにかく?
比奈千春は15000位以内のメンバーに勝てる程度には強いんや!!
文句あらへんやろ!」
見回りの警備員たちに、担架で保健室に運ばれる道玄を見ながら神無さんがいい放つ
「……保健室で済めばいいんやけど。」
早く止めなかったことに責任を感じているのか、神無さんはそんな呟きをおとしながら顔をしかめた
「あっあぁ、かまわない。」
「そう、ね。」
上位メンバーたちは神無さんの言葉にしぶしぶ相槌をうった
「まぁー、負傷者1名、壁一枚亀裂、一枚大破、地面に一つの亀裂という損害はあったけども?
吸血鬼狩り開始しよーか。」
さっきまで笑っていた璃玖さんが気を取り直したように言う
俺は口のなかに残っていた血だまりを吐き出して、神無さんのパーティーに向かった
「ひーくん、帰ってきたら僕ともお手合わせお願いねー?」
璃玖さんの楽しそうな声が聞こえたが、ここで『はい』なんていったら帰宅後の命の保証がなさそうなので俺は聞こえないふりをした