僕の理論

彼とさくら



ーーーーーーーー


今日、彼のもとに行こう。





私はいつもより早く起き支度をした。
今日は日曜日だから夫も子供も休みでまだ寝ている。





朝食を作り家事を済ませてから家を出る。





今日はとてもいい天気だ。
春独特の暖かさを感じる。





桜の花びらはたくさん舞っている。
彼もきっとこの景色を見てるだろう。




私は彼の死をやっと受け入れられたんだと思う。
彼は死んでもきっと私を見ていてくれている。


人は死んだらただ灰になって終わりじゃないはずと私は思う。
姿が見えなくても声が聞けなくてもそこにいる。


死は終わりじゃない。
死んで終わったらあまりにも儚すぎるから。





彼のお墓についた時だった。突然風がふき、桜の花びらが舞う。





そしてそこに書いてあった文字を見て私は少し微笑み、お墓を後にした。





彼はずっとそこにいたんだ。


私は振り向かずにその言葉を噛みしめながら歩く。







ーーーー『ありがとう』ーーーー


桜の花びらでそう書かれていた



< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

small war ~小さなモノ~

総文字数/198

歴史・時代1ページ

表紙を見る
リードテレパシー

総文字数/116

ファンタジー1ページ

表紙を見る
オリオン座

総文字数/2,811

恋愛(純愛)6ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop