君との365日
少しの勇気

「…ん…」

「羽音?大丈夫?」

目を覚ますと目の前に綾芽の顔があった。
私、寝ちゃってたんだって思った。

「うん、大丈夫。ここは?」

「保健室」

綾芽ではなく、違う声が言った。

「蒼空…?あれ、二人とも部活は?」

そうだ。二人は部活あったんじゃ…?
それなのに保健室なんかに居て、大丈夫なのかな?

あ、怪我したとか?

「お前…自分が何されてたか分かってんのか?」

蒼空が急に真面目な顔で、声のトーンを落として私に言う。
いつも真面目だけど、いつもより真面目な顔をしてた。

何されてたか…?
ああ…襲われてたんだっけ。

「うん、知ってる。大丈夫だよ」

理由を聞かれたらどうしよう。
今までのことも、全部話さなきゃいけなくなる。
心配かけちゃうから知られたくない。

「…誰に何の目的で襲われた?」

「蒼空、大丈夫だよ」

綾芽も蒼空も心配してくれてる。
それは私にでも分かる。


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