* another sky *


「…ぁああっ。


ま、麻友理っ!!」



悲鳴のような声に、私は息を飲んだ。



「玲、―――?

玲なの?」



耳に響く、玲の、叫び声……。


興奮して何を話しているのか、上手く聞き取れない。



「どうしたのっ??」


「麻友理……。

う、うわ…ああ…っ!!」


「玲??

何っ、どうしたの?

私、今すぐそっちに、行くからっ。」


「ん、んっ…、いいのっ…。

一人で、大丈夫…だから。」


「……っ!!」



…こんな状況でも、あなたは私に、気を使うのね。



「ねぇっ?
大丈夫じゃ、ないでしょう?」


「…うああああああっ……。」



玲は、声をあげて、泣いていた。





こんな玲の声、初めて聞いた。



苦しそうで、悲しい声。





明るくて、正義感の強い玲。




素直でまっすぐな子。






すべてを失ってしまったような、悲痛な声に、






私も衝撃を受けた。
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