カゼヒキサン。
「もっかいはじめんぞー。」

ピーピピピーと変な風に笛を吹くセンセーに呼ばれまた集まる男子達。

俺もニシも集まる。


ピーッ

始まる。

敵チームにボール。

でも普通にニシが上手く奪う。

味方に渡し…味方に渡し…味方に渡し…ソイツがゴール。

ちっ

俺も決めてぇー!!

「ニシ!」

またボールを持ったニシに声を書ける。

「海斗、パスッッ!」

ボールを受け取る。

またもやスルスル進む。

この時間が一番楽しい。

ニヒッ…顔がニヤける。


そして…ゴール!

「ナイッシュー!」


「うっしゃぁ!」


「かーいとっ!」

「ニシ、ナイス!」

そう言って

ハイタッチしようとしたその時



バンッッ!!

大きい音がする。

「瑞希!!」

久瀬の声が響いた。

……ドサッ

どっちもプレーが止まる。

…倒れている女子が、一人。

「瑞希、瑞希!!!」

「おい、なんか瑞希ヤバくね?」

そう言って男子側から飛び出してきたのは…弘樹。

でも直後俺が飛び出していった。

弘樹を追い越して、瑞希を抱き上げる。

「か、海斗!?」

「…久瀬、俺保健室つれてくわ。」

「え!?あ、うん!あ、あたしも行くか!?」

「いいよ。」

そう言って体育館を抜けだす。



「…何よー!!!チビのくせにっ、生意気ーー!!!」


久瀬の叫び声?

聞こえない、聞こえない。
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