カゼヒキサン。
…。


誰……?

うすいベールがかかったような世界。

目を開けたあたしの前にある、優しげな笑顔…。

ぼやけた写真の様に、顔が…わかるかわからないか…。


ふわり…

あたしを包み込むような温かみを感じる。

あたしの頬に、温かみを感じる。

優しくて、大きくて…。

一体、これは何…?


何か分からないソレが

なぜかものすごく愛おしく感じた。


大好きで大好きでしかたない

昔から知ってる懐かしみも含めた様な何か…?



「好きだよ…。」


そう呟いて、クスッて笑いたくなる。


ああ…、あたし、なんて幸せを夢を見てるんだろう。



ふわふわと、体が浮かぶような感覚。


覚めないで、夢……。



あたしの願いどおり、そのまま長時間夢は覚めなかった。
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