カゼヒキサン。
「と、ところでミーちゃん、熱は?」

「あ、うん。」

さっきから脇にいれっぱだった体温計を取り出す。

「37,6。」

「さっきよりは下がってるわね。うん、雨もやんできたし海斗君に送ってもらいなさい☆」

「うん、分かったよ。」


バイバーイとまだ顔を赤くさせながらも手を振って見送るメグちゃん。

「また何かあったらよろしくねー!」

大きく手を振り返した。



「…瑞希、大丈夫か?37,6だって結構熱あるぞ?」

「平気だよ!…帰ったら寝るー。」

「はいはい。」

そういって、ポンポンと頭をなでられる。

ドキッ

あ、そうじゃん。

そういやあたし、海斗の事が好きじゃん。

なんか思いだしたとたん、隣歩いてるのが恥ずかしくなる。

……………でも。

あたしの左隣に居る海斗の右手を見つめる。

大きくて、優しい海斗の手。

身長、同じくらいだけど少し海斗の方が大きいね。

……………繋いでいい?

そっと。ゆっくり。優しく。

ぎゅ、と海斗の手を握る。


「み、瑞希?」


「………早く、行こ?」

恥ずかしさで赤くなる顔を見られたくなくて、顔を伏せる。


「………おう。」

そう言って海斗は、少しだけ強く手を握り返した。



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