冷たい君に恋をした
入学式


「鈴~~ ~!おはよう!!」


「優華!おはよう!」


私の名前は水澤鈴。
このふわふわの茶色い髪の毛をした可愛い子は私の親友。姫野優華。
見た目どうりの天然さんである。
華奢な体にくるくる変わる表情は多くの男性を虜にしている。


私?私は優華とは違って可愛くない。
性格も毒舌だし、冷静なタイプだ。
だから、たまに、何も考えていなさそうな優華をうらやましく思ったりする。
私も優華も同じ道「てかさ~鈴が生徒会長なんて似合いすぎ!!」



「それ、言わないでよ!ここ最近の私の悩みなんだからっ!」



「ごめん、ごめん!でも、しょうがないでしょ?今日から鈴は生徒会長なんだから!」



「何で私!?」



「またでた。春休み中ず~っと、何で私!?って言ってたし!飽きたよそれー」



「だって、花音がやればいいとは思わない?」



「思わない!花音に任せてみて?この学園の将来が、心配になってくるよ!」



「5票差だよ?たったの!」



そう。この学園の生徒会長を決めるシステムは投票によって決まる。
ちなみにさきほどから会話に出てくる花音という人物は3年生の藤崎花音のこと。
だから、まあ、先輩だ。
だけど、なんていうか、先輩に見えない。
美人だし、黙っていたらいいのだけれど・・・
しゃべりだしたら、まるで小学生。
でも、そのギャップがたまらないっていう熱狂的なファンも多い。





< 1 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop