TABOO†獣(ケダモノ)が牙を剥く~秘密の恋




「お騒がせしました」



部屋の隅に立て掛けてあった100号のキャンバスの影から、律が姿を現す。




「助かったよ」


律は腕を上げて大きく伸びをした。




放課後の空き教室。


一人でないと集中できない私は、いつもここで絵を描いていた。




「毎回ここに逃げ込んでくるの、やめてよ」


私は筆洗に筆をつけると、律を睨んだ。



「だって先輩、頼りになるんだもん」

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