嘘、鬼よ。
【4】












「……っ」


珍しいな、今日は目覚めが良さげだ。


…見覚えのない天井。

暖かい布団。

…布団。

………布団!?!?



布団だって!?




なんで、私は布団に寝かされているんだ…?

ここも拷問部屋ではないし。



確か、女が………









「あれ?目ぇ覚め張った?」


「………?」


「あぁ、うちはお梅。仲良くしたってください。」




綺麗な人。


「私は、西園寺三冷。
お梅がここに寝かせてくれたようだな。
礼を言う、ありがとう。」



「あたりまえやん、女子は愛でるもんや」






素敵だ。


この人が、かの芹沢鴨と死を共にしたと言われる、美女。


うん、想像通りの人だ。





「待っててくださいね。
今他の人呼んできますさかい」




そういって、パタパタとさってくお梅。


甲斐甲斐しいなぁ。











< 23 / 141 >

この作品をシェア

pagetop