世界が終わる時の景色
もしも



「…はー…」


定例の使用人会議を終え、向かうのは志乃の部屋。

行く間に何度溜息を吐いたか、もう数えられない。


「…失礼致します」


時間的に着替え中かもしれない、という事を考慮し、
一応一声掛ける。

だけど案の定、彼女はまだベッドの中だ。


「…お嬢様、起きてください」

「…んー…?」

「お話がございます」

「…何よ…今日は休みなんだから、もっとゆっくり…」

「旦那様が帰って来られるそうです。

少なくとも今週中に」

「…え?」


寝惚け眼だった志乃の目が、ぱちりと開く。



< 69 / 207 >

この作品をシェア

pagetop