電波少年。
プロローグ
今日も蝉がうるさい。
パソコンに集中が出来ない。

「あ……」

うちわであおぎながら、小さく溜め息をついた。

パソコンが壊れたかもしれない。
まあ…古かったし、仕方が無いのだが。

「でも…今壊れるかよ……」
本日2度目の溜め息。

ネットの友達とネトゲ攻略の予定があったというのに……

せっかくの夏休み。
長時間ネトゲが出来るというのに、パソコンが壊れたなんて、最悪じゃないか。

「姉さん。俺……パソコン買いにいってくる」

「へぇ、外に出るんだ」
課題をやっていた姉さんが珍しそうに俺を見る。

なんだよ……その目

「出ちゃ悪いかよ」

「そうとは言ってない。行くなら早く行きなよ」

「わかっている。」

財布を手に取り、乱暴にドアを開ける。

「行ってくる」
呟くように言うと、ドアを閉めた。
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