「大河内くん。ありがとう」
「いいえどういたしまして」

大河内くんは、大ゲサに汗を拭う仕草を見せ、ふうっと小さく息を吐いた。

「お詫びに今度ランチおごるから」
「高いの注文しますよ」
「いいよ。その代わり、給料入ってからにしてね」

あたしがそう言った時。
あたしの携帯が鳴った。
彼氏の司からだ。

「もしもし」
「美玲、引っ越しは終わったか?」
「終わったよ~」
「そうか。なら良かった。ごめんな。急な出張で引っ越しの手伝いできなくて」
「いいよ。仕事だもんね」