アンティークショップで懐中時計を購入した次の日の朝。

目を覚ますと、なぜか私は部屋の中ではなく外に立っていた。


握りしめたまま眠ってしまった懐中時計を見ると、いつも起床する時間を大幅に過ぎた八時。


遅刻ね。
それに目覚めたばかりで、外に立っているとはただごとではないわ。


それも外にあるものはマンションではなく、古めかしい屋敷のようなもの。

舗装された道路に行き交う車の代わりに、砂利道に時代劇で出てくる牛車が二台ほど。


通勤途中のスーツの人はいなく、麻のような素材の服を着ている二十代ぐらいの女性三人。

それから、お内裏様のような格好をしている中年男性とその後ろに止まった牛車とおそらくお供の人二人。


おかしい。
明らかにおかしいわ。


まさか......昨日の店主が言っていたことは本当だったのかしら。

人々の服装から推測すると、ここは平安時代?


いいえ、まだ分からない。

タイムスリップなんて非現実的なことよりも、夢だと仮定した方がいいわ。


一度は平安時代と推測したのを思い直し、もう一度寝直そうと目をつぶった。

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