入ろうとすると、入り口付近に立っていた見張りなのか弓矢を持った若い男性に止められた。


肩の部分に切れ込みが入った、頭からすっぽりとかぶる形の白い上着に、オレンジ色の袴を履き。

開いた襟元からは下にもオレンジ色の着物を着ていることが分かる。


窃盗の被害を訴えに来たと言ったら、けげんな顔をされたけど、一応中に通してもらえた。


本当に噂通りの態度ね。

私が貴族の格好をしていたからまだ良かったけれど、庶民の格好をしていたらどうなっていたかしら。


相手にされなかっただろうし、そもそも検非違使庁どころか大内裏にさえ入れなかったかもしれないわ。


橘さんに感謝をしつつ、検非違使の体勢に怒りを感じながらも廊下を歩く。

何を言ってやろうか考えながら。

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